物流倉庫・工場の暑さを放置していませんか?
物流倉庫や工場は、構造上熱がこもりやすく、窓が小さくて風通しも良くありません。
そのため、夏場は室内の温度が40〜45℃に上昇して、人体に対しても危険な水準の暑さになるケースがあります。
実際、厚生労働省によれば令和4年の職場での熱中症による死傷者は827人。
過去には、倉庫内で荷下ろし作業の後に熱中症による多臓器不全で死亡した事例も発表されています。
この記事では、物流倉庫・工場の暑さのリスクや原因、対策方法について詳しく解説していきます。
光熱費を抑えて、冷たい風を広範囲に送る
目次
物流倉庫や工場の暑さには警戒が必要
物流倉庫や工場の暑さを放置することで企業にはさまざまなリスクが発生します。
1、熱中症のリスク
高温多湿で風が少ない環境に長時間いると熱中症のリスクが高まります。
熱中症とは、暑さなどによって体温の調整機能がうまく働かず、体温が異常に上昇する症状を言います。
主な身体の不調としては、目まいや立ちくらみ、手足のしびれ、吐き気、倦怠感、意識障害などがあり、最悪の場合は死に至る可能性もあります。
次は、気温と湿度から熱中症リスクを示すWBGT(暑さ指数)を推計した表です。
参考:日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針」Ver.3
ご覧いただければ分かる通り、気温と湿度が上がるほど赤色に近づき、熱中症の危険性が高まります。
企業には、労働契約法第5条で安全配慮義務が定められており、快適な職場環境を確保することを義務付けています。
もし、従業員が熱中症になれば労災認定されて
- 従業員からの損害賠償
- 自治体からの入札指名停止処分
- 報道による企業イメージの低下
- 労災保険料の引き上げ(一定規模以上の企業が対象)
といった影響を及ぼす可能性もあります。
2、業務効率が低下するリスク
職場の暑さは、業務効率の低下にも繋がります。
熱中症にならなかったにしても暑い中での作業は体力が消耗しやすく、集中力や注意力の低下も引き起こします。
労働者の健康に関する研究および情報交換を行う学術団体「日本産業衛生学会」では、生産性が低下することなく工場などで継続して1〜2時間の作業ができる許容度を示しています。
作業の強さ | 代謝エネルギー(kcal/h) | 許容度条件(WBGT) |
---|---|---|
極軽作業 | ~130 | 32.5℃ |
軽作業 | ~190 | 30.5℃ |
中等度作業 | ~310 | 27.5~29.0℃ |
重作業 | ~370 | 26.5℃ |
※WBGTとは、気温、湿度、日射・輻射などの周辺の熱環境を取り入れた暑さ指数です。
ご覧いただければ分かる通り、作業の負荷が大きいほど許容度の条件は厳しくなります。
例えば、軽作業のWBGT30.5℃は、参考気温31~35℃に相当しますが、空調設備のない倉庫は室温40℃を超えることもあります。
上記を基準にすれば、生産性の低下は免れません。
倉庫では、荷下ろしや検品、ピッキング、梱包、ラベル貼りなどで時間がかかったり、ミスが多くなるなどの影響を及ぼす可能性があります。
3、離職率が増加するリスク
暑い職場環境は、離職率の増加にもつながります。
帝国データバンクによれば、2022年の運送・倉庫業における正社員の人手不足割合は59.4%となっています。
その背景には、
- 少子高齢化による生産人口の減少
- EC市場の成長による倉庫業務の増加
があり、以前と比べても人材獲得のハードルは上がっています。
倉庫業界は「体力的にきつい」といった理由の退職が多く、暑さ対策は必須です。
離職率が高止まりすれば常に採用活動をする必要があり、教育コストも発生することになります。
また、社員がすぐに辞める会社として取引先などにもマイナスイメージを与えかねません。
物流倉庫や工場が暑くなる原因
物流倉庫や工場は、オフィスビルと比べて暑くなりやすい環境です。
主な原因としては、
- 冷房が効きにくい
- 直射日光の影響が大きい
などがあげられます。
冷房が効きにくい
物流倉庫や工場は、施設規模が大きく冷房効率が悪くなりがちです。
特に物流倉庫では、パレットラックなどを活用して物品を保管することから、一般的なオフィスビルと比べて天井も2倍ほど高くなっています。
空間が広くなれば、それだけ冷やすべき面積も大きくなり、冷房が効きづらい状況となります。
また、保管物の日焼けを防ぐ目的で窓が少ないことから風通しが悪く、屋内にこもった熱を逃がしにくくなっています。
直射日光の影響が大きい
施設が大きいと直射日光の影響を大きく受けます。
物流倉庫や工場では屋根や壁が薄い傾向があり、太陽光による熱が伝わりやすい構造となっています。
特に屋根は金属製で凸凹の折板屋根が採用されることが多く、直射日光によって70〜80℃まで熱せられます。
その熱は、電磁波として伝わる輻射熱として室内に伝わり、暑さの大きな原因となります。
日本の夏は年々暑くなっている
厚生労働省の発表では、日本の熱中症による死亡者数は年々増加しています。
これは、昔と比べて日本の平均気温が上昇しているためです。
気象庁の発表によれば、日本の平均気温は1991年から2020年の30年間で+0.60℃上昇しています。
ヒートアイランド現象で都市部の上昇が目立つ
都市化に伴って森林、草地、水田などが減少したことでヒートアイランド現象による気温上昇の影響も大きくなっています。
次は、環境省が公開する近畿地方での真夏日(30℃以上)の合計時間の変化を示したものです。
1980年代は、30℃を超えるのは大阪湾や京都盆地といった一部地域で年210時間程度でしたが、2000年代には広範囲に広がりました。
真夏日が年間400時間を超える地域もでき、昔と比べても明らかに暑くなっていることが分かります。
そのため、昔と同じ暑さ対策では不十分です。
従業員の健康面だけでなく、能率を落とさずに仕事ができるように暑さ対策を行う必要があります。
物流倉庫・工場の暑さ対策
ここからは、物流倉庫・工場の暑さ対策についてご紹介していきます。
十分な休憩と水分補給
まず、大切なことは十分な休憩と水分補給です。
厚生労働省の指針では、人間の体は1日に約2.5Lの水分を補給する必要があるとされています。
そのうち半分程度は、食事から摂取できることから、残りの約1.2Lを飲み水から補給しなければなりません。
そして、体を動かす作業をした場合は、通常より汗で水分を失われます。
のどの乾きを感じていなくても、こまめに水分、塩分、スポーツドリンクなどを補給するようにしましょう。
空調服(ファン付き作業着)
空調服とは、小型ファンが内蔵された服のことです。
基本的には充電式のバッテリーで小型ファンを稼働させて、外気を取り込んで服の中で空気を循環させます。
このとき服の中でかいた汗が蒸発して気化熱により体温を下げます。
ほとんどのタイプで風量調整ができ、その日の気温や作業内容に応じていつでも快適に使うことが可能です。
ただし、空気で服が膨らむことから作業の邪魔になるケースがあります。
また、ホコリや粉塵などの異物を吸い込むとファンが故障する可能性もあるので使用場所には注意しなければなりません。
スポットクーラー(移動式エアコン)
スポットクーラーとは、一般的なエアコンと同じヒートポンプの仕組みで動く冷房機器です。
一般的なエアコンは室内全体を冷やすことを目的にしていますが、こちらは冷やしたい場所(作業スペース、休憩室など)をピンポイントで冷やします。
本体をそのまま床に置くことから設置工事が必要なく、キャスター付きであれば簡単に移動可能です。
ただし、正面から冷風が出ますが、背面や上部からも同じ量の熱風が出ます。
熱風を排熱ダクトで外に逃さない限りは、室内全体を冷やす効果はありません。
その他にも一部分だけを冷やすことから頻繁に動き回る現場では不向きとなります。
業務用の大型扇風機
低コストで気軽に導入できるのが業務用の大型扇風機です。
家庭用の扇風機と比べて羽のサイズや回転スピードも速く、首振りにも対応していることから広範囲に風を届けられます。
冷たい風は出ませんが、熱中症の原因の一つである「風が弱い」を解消可能。
導入コストが安く、消費電力が1時間あたり1〜3円と省エネな点も大きなメリットです。
業務用の冷風機
業務用の冷風機(移動式インバーター水冷扇)とは、水と少しの電力を利用して冷風を送り出す空調設備です。
業務用の扇風機では、広範囲に風を送り出せますが、風は温かいままです。
一方、スポットクーラーは冷たい風を送り出せますが、非常に狭い範囲にしか届きません。
弊社が販売する業務用の冷風機は、
- 20m先に強力な風を送る
- 外気温と比べて最大-9℃の冷たい風を送る
という良いとこ取りをした製品となります。
冷却は、気化熱の原理を利用しているため、エアコンと比較して光熱費を4分の1に圧縮可能。
冷却能力が同レベルの業務用エアコンと比較しても10年間で約90万円の節約ができます。
次は、代表的な空調設備と比較した一覧表です。
冷風機 | 扇風機 | スポットクーラー | エアコン | |
---|---|---|---|---|
光熱費 | ◯ | ◎ | ✕ | ✕ |
風の冷たさ | ◯ | ✕ | ◎ | ◎ |
風の強さ | ◎ | ◯ | △ | △ |
設置の手間 | ◯ | ◯ | ◯ | ✕ |
「エアコンの設置はコスト面で厳しい。」
「光熱費を抑えつつ広範囲に冷たい風を送って、熱中症対策をしたい。」
そんな方に業務用の冷風機(移動式インバーター水冷扇)は、おすすめとなります。
大規模空間の空調システム「PUT IN PUT OUT(プットイン プットアウト)」
弊社が販売する業務用の冷風機は、特定の範囲内の冷たい風を送り込む冷房設備です。
建物全体の冷房効果を高める場合は、本製品と全体換気装置を組み合わせる大規模空間の空調システム「PUT IN PUT OUT(プットイン プットアウト)」をご検討ください。
こちらは、1時間あたり20,000㎡の換気能力がある大型換気扇を天井までの高さ55~65%の範囲に配置する特許取得済(特許6892366号)の空調システムです。
移動式インバーター水冷扇で涼しい空気を送り出し、換気扇で熱い空気を屋外に排出することで屋内を快適な環境に生まれ変わらせます。
光熱費を抑えて、冷たい風を広範囲に送る
カテゴリ:暑さ対策
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主な掲載製品は、
- スチールラック
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- パレットラック
- ネステナー(ネスティングラック)
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