物流倉庫業界では、年々取り扱う商品の量や種類が増えています。
その一方で「荷物が入りきらない」「作業スペースが狭くなって業務がしにくい」といった課題を感じている方も多いのではないでしょうか。
こうした課題に対して「具体的にどう対応すれば良いか分からない」と悩む方もいれば、すでに倉庫の新設や外部倉庫の利用を検討し始めている方もいるかもしれません。
倉庫の中には天井付近の上部空間や、通路・壁際にある活用されていないスペース、いわゆるデッドスペースが意外と多く存在します。
そうしたデッドスペースを活かせる収納設備は豊富にあり、倉庫の収納量や保管効率の向上につなげられるケースが多いです。
大きな設備投資を行う前に、まずは「課題を解決することができる収納設備があるか」調べてみることが重要です。
本記事では、倉庫のデッドスペースを有効活用し、収納量や保管効率を高めるための収納設備をご紹介します。
目次
倉庫の収納量や保管効率を下げるデッドスペース
倉庫内のデッドスペースは、収納量や保管効率を下げる原因に。
ここでは特に見落とされやすい代表的なデッドスペースをご紹介します。
天井高があっても使われていない上部空間
一般的な倉庫の天井の高さは、取り扱う商品や設備によって異なりますが、5m以上であるケースが多いです。
これは、倉庫内でのフォークリフト作業や大型収納設備の設置を想定した設計によるものです。
しかし実際の運用では、荷物を置いている高さが2〜3m程度までにとどまることが多く、天井付近の上部空間が使われていない倉庫も少なくありません。
この空間を上手く活用できていないことで、床面の保管スペースがすぐに埋まったり、作業スペースの確保が難しくなるといった課題につながります。
通路・壁際にあるムダな空間
倉庫の保管効率を高めるうえで見落とされがちなのが、通路や壁際にあるムダな空間です。
通路が必要以上に広く取られていたり、壁際が不自然に空いていることで、ムダな空間が発生していることがあります。
もちろん、安全性や作業効率を考慮したスペースの確保は必要ですが、収納設備やレイアウトを見直すことで収納量や保管スペースを増やすことができます。
倉庫のデッドスペースを放置するリスク
倉庫内に生まれたデッドスペースをそのまま放置してしまうと、単に収納量が減るだけでなく作業効率やコスト面にも悪影響を及ぼします。
一見すると問題があるように見えない倉庫のデッドスペースも、放置し続けることで業務に支障をきたす可能性があります。
・機会損失・納品遅延などの発生
例えば、上部空間を活用せず床面の限られたスペースだけで荷物を保管していると、すぐに倉庫の収納量の限界を迎えてしまいます。
その結果、繁忙期の一時的な在庫の増加や取り扱い商品の拡大に対応できず、販売機会の損失や納品遅延が発生する要因になることも。
・作業効率低下/事故リスク
倉庫内で床置きや仮置きの荷物が増えると、通路が狭くなり作業動線が悪化。
その結果、ピッキングや仕分けの作業時間が増え、従業員の負担も大きくなりがちです。
作業効率の低下に加え、荷物の接触や従業員の転倒といった事故リスクも高まります。
・倉庫の賃料/増改築費など
倉庫の収納量が不足した時に、外部倉庫の利用や倉庫の増設を検討する企業も少なくありません。
しかし、こうした対応には外部倉庫の賃料・倉庫の増改築費・荷物の運送費といったコストが発生します。
レイアウトや収納設備の見直しで対応できた可能性があるにも関わらず、不要なコスト負担を抱えてしまうリスクがあります。
こうしたリスクを防ぐために、まずはどこがデッドスペースになっているのかを把握し、早めに改善策を講じることが重要です。
倉庫のデッドスペースを活かす4つの収納設備
倉庫のデッドスペースを上手く活用することで、収納量の増加だけでなく保管効率も改善します。
ここでは、倉庫の収納量・保管効率を高めたい方におすすめの収納設備をご紹介します。
使わない時は重ねてコンパクトにできるネスティングラック(ネステナー)

ネスティングラックは多段積みが可能なパレット保管用の収納設備で、倉庫の上部空間にあるデッドスペースを有効活用できます。
ネスティングラックを利用するのに、組み立てや基礎工事といった作業は不要で設置や撤去が簡単。
またアンカー固定が不要な構造のため、倉庫のレイアウト変更や移設の際も対応できます。
ネスティングラックを使用しない時は重ねて収納することができ、最小限のスペースで保管することができます。
倉庫の天井までの上部空間を活かしたい方や、繁忙期だけ一時的に収納量を増やすことができる収納設備が欲しい方におすすめです。

関連記事ネステナーとは?種類、サイズ、耐荷重など分かりやすく解説
倉庫の天井高や設置場所にあわせて設計できるパレットラック(重量ラック/重量棚)

パレットラックは受注生産品のため、倉庫の天井高や設置場所の寸法にあわせて100mm単位で設計可能です。
またパレットラックの支柱の高さは最大6,000mmまで対応でき、一般的なラックよりも高く設計できるため倉庫の上部空間を無駄なく活用できます。
倉庫の天井高や設置場所にあわせて収納量・収納効率を高めたい方や、荷姿・フォークリフトの揚高にあった収納設備を探している方におすすめです。

関連記事パレットラックとは?サイズ、価格など分かりやすく解説
倉庫の天井高を活かして収納量を約2倍にできるパレットステージ(中二階)

パレットステージは天井付近のデッドスペースを活用できる収納設備で、倉庫の収納量を最大2倍にすることができます。
上階を荷物の保管スペース、下階を従業員の作業エリアとして使い分けることができます。
パレットステージは設置場所にあわせて設計するため、柱などの障害物があっても干渉しないように設置することが可能です。
また床へのアンカー固定が不要で、フォークリフトのみで設置することができます。
収納量を増やしたいが倉庫の増改築は避けたい方や、作業エリアと保管スペースを分けて保管効率を上げたい方におすすめです。
不要な通路を削減して収納量を増やすレール式移動棚(移動棚)

レール式移動棚は、床に設置したレールに沿って棚を移動させることができる収納設備です。
一般的な倉庫では、複数のラックの間に作業用の通路が設けられています。
しかし作業を行っていない時は、この通路がデッドスペースになってしまいます。
レール式移動棚は、ラック同士を密着させて保管し、必要な時だけラックをスライドさせて通路を確保できる仕様です。
そのため一般的なラックに比べて設置できる棚の数を増やすことができ、限られた床面積でも収納量や保管効率を高めることができます。
倉庫を増改築せずに荷物の保管スペースを増やしたい方や、通路のデッドスペースを最小限にし保管効率を高めたい方におすすめ。

関連記事レール式移動棚(移動ラック)で収納力アップ!導入メリットと設置事例をご紹介
今回ご紹介した4つの収納設備の他にも、定番商品のスチールラック(業務用スチールラック)があります。
下記のブログでは、スチールラックでデッドスペースを有効活用する方法や、倉庫ラックの種類・選び方について詳しくご紹介しています。
倉庫にスチールラックを導入したい方は、あわせてご確認ください。

関連記事スチール棚でデッドスペースを有効活用する方法

関連記事倉庫ラックの種類とおすすめは?選び方を解説
まとめ
倉庫のデッドスペースを活かすことで、収納量増加・荷物の保管効率が改善され、倉庫の増設や外部倉庫の利用といった不要なコストを抑えることもできます。
ぜひ、今回ご紹介した4つの収納設備をヒントに、倉庫内のデッドスペースを見直してみてください。
当店では、現場の課題や積載物にあわせたご提案も承っています。
ぜひお気軽にご相談ください。
カテゴリ:物流機器
タグ:ネスティングラック, パレットステージ, パレットラック, レール式移動棚
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主な掲載製品は、
- スチールラック
- ステンレスラック
- レール式移動棚
- パレットラック
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です。
ぜひ導入検討のための資料としてお役立てください。







