「荷物をパレットごと収納したい」
そんなときにオススメなのが、ネステナー(ネスティングラック、ネスラック)です。
ネステナーとは、荷物を載せたパレットをフォークリフトで移動させて、そのまま収納できる棚です。
基本的には、
- パレット
- フォークリフト
と組み合わせて活用されています。
縦の空間を有効活用することで収納力の向上を図ることができ、倉庫や工場を中心に商品在庫などの保管を目的に導入されています。
この記事では、ネステナーの基本情報から使い方、オプション品まで分かりやすくご紹介します。
全国対応!お見積り・CAD図面作成は無料
目次
ネステナーとは
まずは、ネステナー(英語:Nestainer)についておさらいしましょう。
冒頭でもお伝えしたとおり、ネステナーは収納力の向上を図るために導入される物流機器(マテハン機器)です。
ネステナーには凹凸があり、フォークリフトを使ってはめ込むことで2~4段に積み重ねて利用できます。
パレットを平置きした場合は、下にあるパレットの取り出しに時間がかかります。
ネステナーを活用すれば、各段ごとのパレットの取り出しをスムーズに行うことが可能。
荷崩れによる危険が伴う「はい作業」においても事故・怪我のリスク軽減につながります。
自由に移動できる
ネステナーは、フォークリフトを使って移動させることで簡単に配置の変更が可能です。
季節的な物量の変動がある場合でも、その時々に応じた最も効率的な倉庫レイアウトができます。
また、そのまま平面に設置できることから床に穴をあける必要がなく、退去時に原状回復義務のある賃貸の倉庫や工場での使用にもおすすめです。
ネステナーと同じくパレットを収納できる物流機器としては『パレットラック(重量棚)』があります。
パレットラックの場合は、導入時に組み立て施工が必要であったり、アンカー打ちなどで床や壁に固定しなければなりません。
そのため、あとからレイアウト変更の必要が生じた場合は、解体作業・再組み立てなどに伴う手間とコストが発生することになります。
弊社でネステナーを購入いただいた場合は、部材単位ではなく”完成品”が届くので面倒な組み立て作業が必要なく、商品到着後すぐにご利用いただけます。

関連記事ネステナーとパレットラックの違いは?徹底比較
コンパクトに収納できる
ネステナーは、積み重ねてコンパクトに収納可能です。
閑散期などで使わないときは、入れ子式に重ねて一箇所に保管することで空いたスペースを有効活用できます。
ネステナーは、部材をバラすことなく積み重ねてコンパクトに収納できます。
そのため、他の物流拠点で使いたい場合もトラックにまとめて積み込んで運搬し、移設先ですぐに利用可能です。
ネステナーは大きく2種類に分けられる
ネステナーは、大きく分けて「正ネステナー」と「逆ネステナー」の2種類があります。

関連記事正ネステナーと逆ネステナーの違いを解説(比較)
正ネステナー
正ネステナーとは、荷物を置く部分が下部にあるタイプとなります。
大きなメリットは、荷物を載せたネステナーごとフォークリフトで移動ができる点です。
倉庫のレイアウト変更を行う際に荷物を降ろす必要がなく、トラックにそのまま載せることもできます。
正ネステナーをおすすめするシーン
- 倉庫レイアウトの変更を頻繁に行う
- 荷物を床に直接置きたくない
逆ネステナー
逆ネステナーは、荷物を置く部分が上部にあるタイプとなります。
大きなメリットは、ネステナー1台で2枚のパレットを収納できる点です。
例えば、逆ネステナーを2台積み重ねれば、3段分の荷物を収納できます。
また、逆ネステナーは2~4段に積み重ねたときに”正ネステナー”と比べて低い特徴があることから、天井高の低い倉庫でおすすめです。
※下向きにピンがついていることから「下ピンタイプ」とも呼ばれています。
逆ネステナーをおすすめするシーン
- 少ない台数で多くの荷物を保管したい
- 天井高の低い倉庫に設置したい
ネステナーのサイズ選びはパレットを基準にしよう
ネステナーのサイズは、ご使用中のパレットから選ぶことをおすすめします。
例えば、日本の標準サイズとして広く用いられている『イチイチパレット(1100×1100×144mm)』に対応したネステナーは、次のとおりです。
品番 | 横幅(W) | 奥行(D) | 高さ(H) |
---|---|---|---|
OK-NR32 | 1350mm | 1200mm | 1200mm |
OK-NR34/L | 1350mm | 1200mm | 1400mm |
OK-NR37/L | 1350mm | 1200mm | 1700mm |
※サイズは外寸です。
品番 | 横幅(W) | 奥行(D) | 高さ(H) |
---|---|---|---|
OK-NRP327/L | 1350mm | 1200mm | 1270mm |
OK-NRP340 | 1350mm | 1200mm | 1400mm |
OK-NRP357/L | 1350mm | 1200mm | 1570mm |
OK-NRP377/L | 1350mm | 1200mm | 1770mm |
※サイズは外寸です。
イチイチパレット(1100×1100×144mm)は、日本産業規格「JIS規格」でも一貫輸送用平パレットの「T11型」として規格化されています。
日本で使用される一般的なトラックやコンテナと相性が良く、主に食品業界、日用品業界、医薬品業界で多く用いられています。
また、中国や韓国でも採用されていることから国際輸送においても物流の効率化につながります。
ネステナーの耐荷重は一般的に1000kg程度
ネステナーの耐荷重は、一般的に1段あたり1000kgです。
ネステナーを積み重ねた場合であっても1段あたり1000kgの荷物を載せることができます。
例えば、正ネステナーを2段積み重ねて、最上部に「ネストップ」を取り付けた場合は、
- 1段目1000kg
- 2段目1000kg
- 3段目1000kg
の合計3000kgまで載せることが可能です。
樹脂パレットに対応したタイプも販売
弊社では、たわみやすい樹脂パレットに対応したネステナーを販売しています。
通常、ネステナーのパレットを載せる面は「井桁」となっており、積載する際はパレットの弱い部分と接することになります。
そのため、パレットへの負荷が大きく、破損の原因にもつながります。
そのような問題を解決するために独自のフレーム形状「木桁」を採用したネステナーを販売しております。
こちらは、パレットの強度の強い部分で支えるように設計されており、過負荷による破損リスクを低減することが可能です。
ネステナーのオプション品
ネステナーは使い方に合わせて、より便利に利用できるオプション品が用意されています。
弊社が取り扱っているネステナー(ネスティングラック、ネスラック)に対応したオプション品となります。
正ネステナーの2段仕様「ネストップ」
こちらは、正ネステナーの最上部に取り付けて積載可能にするオプション品です。
正ネステナーを2段仕様にでき、パレットの積載数を1枚増やすことで空間の有効活用を図れます。

関連記事正ネステナーはネストップ(パレトップ)で最上段にも収納可能
中間棚・仕切用の金具「ネスロック」
こちらは、ネステナーの中間に取り付けて2段にできるオプション品です。
背の高いネステナーの場合、荷物ごとパレットを積み込んでも上部の空間が余ることがあります。
そのときに本製品を活用することで収納スペースを増やすことが可能です。
他にも特殊オプションとして「中間棚」の提供もしています。
詳しくは、次の記事をご覧ください。

関連記事ネステナーは中間棚・ネスロックによる仕切りで収納力向上
地震対策・転倒防止「ネスバンド」
こちらは、隣り合うネステナー同士をベルトで連結できるオプション品です。
上下左右を連結することで地震や衝突などによる転倒を防止できます。
収納物の落下防止「コンビ止めバー」
こちらは、ネステナーの側面と背面にバーを取り付けることで収納物の落下を防ぐオプションです。
バーの本数は増やすこともできます。
※特注オプションのため10台以上から製作を承っております。
小さい収納物の落下防止「底板」
こちらは、ネステナーの積載面をフラットにして小さい収納物の落下を防ぐオプションです。
底板の素材は合板または鉄板から選択ができ、穴あけ加工にも対応しています。
パレットではなく、小物や梱包物を直接積載したいときにおすすめです。
※特注オプションのため10台以上から製作を承っております。
錆対策「メッキ鋼板」
こちらは、ネステナーにサビに強いメッキ鋼板加工を施すオプションです。
水気の多い場所や衛生面の気になる環境にネステナーを導入する際におすすめとなります。
※特注オプションのため10台以上から製作を承っております。
逆ネステナーの収納力アップ「連結ブリッジ」
こちらは、逆ネステナー2台の間に取り付けることで積載面を増やせるオプション品です。
通常、逆ネステナー2台に収納できるパレットは4枚ですが、本製品を取り付けることでパレット6枚の収納ができます。
※特注オプションのため10台以上から製作を承っております。
ネステナーに関するよくある質問(Q&A)
ここからは、ネステナーに関するよくある質問をご紹介していきます。
Q、特注サイズにも対応していますか?
お客さまのご要望のサイズの製作にも対応しています。
※ネステナーの特注サイズにつきましては、10台以上からのご対応となります。
「通常のネステナーのサイズでは、パレットを収納できない」「もう少し小さいサイズのネステナーがほしい」などありましたら、お気軽にお問い合わせください。
Q、ネステナーの材質は何ですか?
ネステナーの材質は、スチール(鋼)となっています。
鉄を主成分に炭素などを合成した合金であり、重さに対する強度が大きいメリットがあります。
Q、ネステナーの耐用年数はどのくらいですか?
ネステナーの耐用年数は、お使いの環境や積載量によって大きく変わってきます。
一般的に保管棚として利用する場合は、5~10年程度が目安となっていますが、その期間を超えてご利用いただくケースも多くあります。
Q、ネステナーのメリットとデメリットは何ですか?
ネステナーのメリットとデメリットをまとめると次のとおりです。
メリット | ・フォークリフトで移動させてレイアウト変更できる ・正ネステナーなら物を載せたまま移動できる ・未使用時は積み重ねてコンパクトに収納できる ・アンカー打ちなどの施工が必要なく、商品が届き次第すぐに使える |
---|---|
デメリット | ・棚板の高さは変更できない ・長尺物は収納できない ・基本的に1000kgを超える物は収納できない |
Q、ネステナーのレンタル・リースには対応していますか?
弊社では、ネステナーのレンタル・リースには対応しておりません。
クレジットカード決済による分割・リボ払いは可能ですのでご検討ください。
Q、ネステナーのカタログはありますか?
はい。弊社では、ネステナーも含めた製品総合カタログをご用意していおります。
『カタログページ』に移動してから「Webカタログを閲覧」をクリックしていただき、ネスティングラックの項目で製品詳細をご確認可能です。
最後に
ネステナーは、パレット収納に特化した物流機器の一つです。
主に倉庫や工場で導入されており、
- 2~4段に積み重ねて利用できる
- 自由に動かせて倉庫レイアウトの変更も簡単にできる
- 未使用時は重ねてコンパクトに収納できる
といった特徴により天井高を最大限有効活用できるだけでなく、搬出入作業の大幅な効率化も実現できます。
弊社では、ネステナーの導入に関して各種ご相談も承っております。
例えば「パレットを50枚収納したいけど、ネステナーは何台必要ですか?」「床から天井の高さが5mですが、何段積みで使えますか?」といった相談はもちろん、作業がしやすい効率的な倉庫レイアウトのご提案も可能です。
価格・値段、納期なども含めて、まずはお気軽にお問い合わせください。
物流機器に精通した専門スタッフがお客さまのご要望をしっかりと汲み取って最適なご提案をいたします。
全国対応!お見積り・CAD図面作成は無料
カテゴリ:ネステナー
ネステナー(ネスティングラック)導入のご相談も承ります
シーエスラックでは、ネステナーの導入に関するご相談も承っております。
例えば、次のような条件でネステナーの購入を検討しているけど、何台必要だろうか。
【条件】
- 天井の高さ:5.5m
- パレットのサイズ:1100 × 1100mm
- 荷物の高さ:1400mm
- パレットの数量:30枚
【提案内容】
逆ネステナー(3段積み)20台をおすすめします。
上記のようなご相談の他にも「ネステナーとパレットラックの違い」「効率の良い倉庫レイアウトの方法」などご不明な点がございましたら、どんな些細なことでも遠慮なくお尋ねください。
物流機器の専門スタッフがお客さまをしっかりとサポートいたします。